iPhoneフィギュア撮影術|初心者向けに設定からコツまで解説

iPhoneフィギュア撮影術|初心者向けに設定からコツまで解説

お気に入りのフィギュアをiPhoneで撮影してみたものの、なぜか実物の魅力が伝わらない、思ったように撮れないと悩んでいませんか。

多くの方が、iPhoneで一番画質がいい設定はどれか、あるいはiPhoneで一眼レフみたいに撮るにはどうすれば良いのかといった疑問を抱えています。

実は、特別な機材がなくても、iPhoneの設定やフィギュア撮影のコツを少し知るだけで、写真のクオリティは劇的に向上します。適切なライトの当て方や背景の選び方、さらには専用の撮影ブースがなくても雰囲気を出す工夫が鍵となります。

この記事では、初心者の方が失敗や後悔をせずに済むよう、基本的なテクニックから、便利なフィギュア撮影スマホアプリ、そして写真の完成度を高めるフィギュア写真加工アプリの活用法まで、フィギュア撮影をiPhoneで楽しむための情報を網羅的に解説していきます。

この記事で分かること
  • iPhoneカメラの最適な設定方法
  • プロのような写真を撮るためのライティングと背景の工夫
  • 初心者でも真似できる具体的な撮影テクニック
  • 写真の魅力を最大限に引き出す編集アプリと加工のコツ
目次
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始める前のフィギュア撮影 iPhone基本設定

  • iPhoneで一番画質がいい設定は?
  • まず確認したい基本的なiPhone設定
  • 立体感を生むライトの当て方と選び方
  • フィギュアが映える背景選びのポイント
  • 100均でも作れる簡易撮影ブース

iPhoneで一番画質がいい設定は?

iPhoneで一番画質がいい設定は?

iPhoneでフィギュアを撮影する際、最も高画質を求めるならば、近年のProモデルに搭載されている「Apple ProRAW」や48メガピクセルでの撮影が選択肢に上がります。しかし、これらの設定が全てのユーザーにとって最適とは限りません。

その理由は、ファイルサイズが非常に大きくなるためです。ProRAWで撮影した画像は、通常の写真の数倍から数十倍の容量を必要とし、iPhoneのストレージをすぐに圧迫してしまう可能性があります。

また、ProRAWデータはそのままでは画像のポテンシャルを最大限に発揮できず、専用のアプリで「現像」と呼ばれる編集作業を行うことが前提となります。

したがって、SNSへの投稿や手軽に綺麗な写真を楽しみたい場合は、標準のカメラ設定でも全く問題ありません。現在のiPhoneカメラは非常に高性能であり、標準設定でも十分にシャープで美しい写真を撮影できます。

撮影前に確認しておきたい設定として、写真のアスペクト比(縦横比)があります。

Instagramのフィード投稿であれば「4:5」、ストーリーなら「9:16」など、投稿したい媒体に合わせてアスペクト比を事前に設定しておくと、後からトリミングする手間が省け、構図も決めやすくなります。

まず確認したい基本的なiPhone設定

フィギュア撮影を始める前に、iPhoneのカメラ設定を少し見直すだけで、写真のクオリティは格段に向上します。特に確認しておきたい基本的な設定は、「グリッド」「AE/AFロック」「HDR」の3つです。

グリッド表示

まず、「設定」アプリから「カメラ」へ進み、「グリッド」をオンにしましょう。これを有効にすると、撮影画面に縦横2本ずつの線が表示されます。

この線は構図を決める際の優れたガイドとなり、被写体を線の交点に配置する「三分割法」などを意識しやすくなります。画面の傾きも視覚的に分かりやすくなるため、水平・垂直が取れた安定感のある写真を撮るのに役立ちます。

AE/AFロック

次に、明るさ(露出)とピント(フォーカス)を固定する「AE/AFロック」です。フィギュアの顔など、ピントを合わせたい場所を画面上で長押しすると、画面上部に「AE/AFロック」と表示され、明るさとピントが固定されます。

これを設定しないと、少しカメラを動かしただけで明るさやピントが意図せず変わってしまうことがあります。特に室内での撮影や、光の状況が変わりやすい場所で安定した撮影を行うためには不可欠な機能です。

HDR(ハイダイナミックレンジ)

HDRは、明るい部分と暗い部分の差が大きいシーンで効果を発揮します。

例えば、背景は明るいのにフィギュアの顔が影になって暗く落ち込んでしまうような場面でHDRをオンにすると、明るい部分の白飛びと暗い部分の黒つぶれの両方を抑え、バランスの取れた自然な写真に仕上げてくれます。

基本的には自動で問題ありませんが、意図的に影を強く出してかっこいい雰囲気を演出したい場合は、オフにすることも選択肢の一つです。

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立体感を生むライトの当て方と選び方

立体感を生むライトの当て方と選び方

フィギュア撮影において、光の操り方は作品の立体感や質感を決定づける最も重要な要素の一つです。光源には大きく分けて「自然光」と「人工光」があり、それぞれに特徴があります。

自然光の活用

最も手軽で自然な雰囲気を出しやすいのが、太陽の光である自然光です。特に、窓から差し込む柔らかい光は、フィギュアを撮るのに非常に適しています。

直射日光は影が強く出すぎてしまうため、レースのカーテン越しのような、少し拡散された光(ディフューズ光)を利用するのがおすすめです。これにより、フィギュア全体に均一で柔らかい光が回り、自然な陰影が生まれます。

人工光(ライト)の基本とレフ板

夜間や天候に左右されずに撮影したい場合は、人工光を活用します。高価な撮影用ライトがなくても、普段使っているデスクライトで十分代用可能です。

ただし、ライトをフィギュアの真正面や真上から当てると、陰影のないのっぺりとした印象になりがちです。

基本は、フィギュアの斜め45度くらい前から光を当てる「サイド光」を意識しましょう。これにより、適度な影が生まれて立体感が強調されます。

さらにクオリティを上げるアイテムが「レフ板」です。これは光を反射させる板のことで、ライトとは反対側に置き、影になっている部分に光を反射させて明るくするために使います。

市販品もありますが、白いコピー用紙や画用紙、段ボールにアルミホイルを貼ったものでも十分に代用できます。ライトとレフ板を使うことで、光と影をコントロールし、フィギュアのディテールをより鮮明に写し出すことが可能になります。

フィギュアが映える背景選びのポイント

フィギュア撮影において、主役であるフィギュアと同じくらい重要なのが背景です。背景ひとつで写真の雰囲気は大きく変わり、作品の世界観を深めることも、逆に壊してしまうこともあります。

生活感のある部屋の一部が写り込んでいると、せっかくのフィギュアの魅力が半減してしまいます。

基本は無地の背景

初心者の方がまず試すべきなのは、無地の背景です。文房具店などで手に入る大きめの模造紙やケント紙が便利で、色は白、黒、グレーが基本となります。白は被写体をクリーンに見せ、黒は重厚感や高級感を演出できます。

撮影の際は、紙に折り目をつけずに壁などにテープで貼り、机の上まで緩やかにカーブさせて垂らすのがコツです。こうすることで、背景と床面の境界線がなくなり、無限に広がる空間のような効果(ホリゾント)が得られます。

ディスプレイを活用した背景

手軽に多彩なシーンを演出したい場合、PCやタブレットのディスプレイを背景として活用する方法も非常に有効です。

インターネット上にあるフリー画像や、自分で撮影した風景写真などをディスプレイに表示させ、その手前にフィギュアを置いて撮影します。この手法のメリットは、宇宙空間やファンタジーな街並みなど、現実には用意しづらい背景を簡単に作り出せる点です。

撮影時の注意点として、ディスプレイのフレームが写り込まないように望遠カメラで画角を調整することや、画面の明るさをフィギュアの照らされ方と合わせて調整することが挙げられます。

100均でも作れる簡易撮影ブース

100均でも作れる簡易撮影ブース

本格的な撮影をしようとすると、撮影ボックスや専用の機材が必要だと考えがちですが、実は100円ショップで手に入るアイテムを組み合わせるだけで、十分に機能的な簡易撮影ブースを作成することができます。

自作のブースを用意することで、外部の余計な光を遮断し、背景の問題も一度に解決できます。

作り方は非常にシンプルです。例えば、大きめの段ボール箱の内部に白い画用紙を貼り付けるだけでも、光が内部で反射し、フィギュアを柔らかく照らす「撮影ボックス」のような効果が得られます。

また、データベースの記事で紹介されているように、ダイソーの「アルティメットコンテナ」のようなプラスチック製の箱を組み合わせる方法も有効です。

箱の内側に白い紙を貼れば光を拡散させる壁になり、背景紙を固定する土台としても活用できます。さらに、箱の側面にアルミホイルをくしゃくしゃにしてから広げて貼れば、光を乱反射させるレフ板の役割も果たしてくれます。

もちろん、市販のLEDライト付き折りたたみ撮影ボックスは、設営が簡単で安定した光を得られるというメリットがあります。しかし、まずはコストをかけずに手作りの撮影ブースで試してみることで、ライティングの基本や光の回り方を学ぶ良い機会となるでしょう。

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実践的なフィギュア撮影 iPhoneテクニック

  • 知っておきたいフィギュア撮影のコツ
  • iPhoneで一眼レフみたいに撮るには?
  • 便利なフィギュア撮影スマホアプリ3選
  • おすすめのフィギュア写真加工アプリ
  • フィギュア撮影 iPhoneの魅力を引き出す

知っておきたいフィギュア撮影のコツ

知っておきたいフィギュア撮影のコツ

機材や設定を整えたら、次はカメラアングル、つまり撮影する角度を工夫してみましょう。ほんの少し角度を変えるだけで、フィギュアの表情や印象は大きく変わります。

カメラアングルで印象を操作する

いつも自分の目線の高さから撮影していると、どうしても見慣れた単調な写真になりがちです。ここで試したいのが、普段とは違う角度からの撮影です。

一つは「アオリ」と呼ばれる、下から見上げるような角度です。地面すれすれにiPhoneを構えて撮影することで、フィギュアに巨大感や威厳、迫力が生まれます。

特にロボットやヒーロー系のフィギュアをかっこよく見せたい場合に非常に効果的なアングルです。このとき、iPhoneを逆さまにしてレンズが下に来るように持って撮影すると、より低い位置からの撮影が可能になります。

もう一つは「フカン」と呼ばれる、上から見下ろす角度です。このアングルは、フィギュアの可愛らしさを強調したり、置かれている状況を説明的に見せたい場合に有効です。

このように、ただ正面から撮るだけでなく、様々な角度からフィギュアを観察し、最も魅力的に見えるアングルを探すことが、撮影の楽しさであり上達への近道となります。

iPhoneで一眼レフみたいに撮るには?

多くの方が抱く「iPhoneで一眼レフカメラのような写真を撮りたい」という願望は、特に背景のボケ感と被写体の自然な写りに関係しています。これを実現する鍵は、iPhoneの望遠カメラを積極的に活用し、「引き」で撮影して後からトリミングする方法にあります。

iPhoneの標準(広角)カメラでフィギュアに近づいて撮影すると、パース(遠近感)が強く効きすぎてしまい、顔が不自然に大きく、手足が短く見えるなど、プロポーションに歪みが生じやすくなります。

このような歪みを防ぐために、iPhoneの望遠カメラ(2xや3xなど)に切り替えて、フィギュアから少し離れた位置から撮影しましょう。望遠カメラは人間の視界に近い画角で被写体を捉えるため、見た目に近い自然な頭身で撮影することができます。

また、望遠になるほど背景が圧縮され、被写界深度が浅くなる(ピントの合う範囲が狭くなる)ため、自然な背景ボケも得やすくなります。

撮影した後に、写真アプリの編集機能で不要な部分を切り取る「トリミング」を行えば、被写体を適切なサイズに配置できます。近年のiPhoneは画素数が非常に高いため、多少トリミングしても画質の劣化はほとんど気になりません。

また、iPhoneに搭載されている「ポートレートモード」も背景をぼかすのに有効な機能ですが、フィギュアの髪の毛や武器の先端など、細かい部分の境界線の処理が不自然になる場合があります。

まずは望遠カメラでの撮影を基本とし、状況に応じてポートレートモードを試してみるのが良いでしょう。

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便利なフィギュア撮影スマホアプリ3選

便利なフィギュア撮影スマホアプリ3選

iPhoneに標準で搭載されているカメラアプリは非常に優秀ですが、よりこだわった撮影をしたい場合は、マニュアル設定が可能なサードパーティ製のカメラアプリを導入すると表現の幅が大きく広がります。

Camera+

Camera+は長年にわたり多くのユーザーに支持されている定番のカメラアプリです。このアプリの優れた点は、ピントを合わせる位置と明るさを測定する位置を別々に指定できることです。

例えば、フィギュアの暗い部分にピントを合わせつつ、明るい部分を基準に露出を調整するといった、標準アプリでは難しい操作が可能になります。

シャッタースピードやISO感度といったマニュアル設定も細かく調整できるため、撮影者の意図をより正確に反映させることができます。

Lightroom Mobile

Adobeが提供するこのアプリは、高機能な写真編集ツールとして有名ですが、撮影機能も非常に強力です。最大の特徴は、RAW(DNG形式)での撮影に対応している点です。

RAWデータは、JPEGと比べて多くの色や明るさの情報を保持しているため、撮影後の編集で白飛びや黒つぶれを復元しやすく、色味の調整も自由自在に行えます。画質に徹底的にこだわりたい方には必須のアプリと言えるでしょう。

これらのアプリは、標準カメラでは物足りなくなった中級者以上の方にとって、撮影の可能性を広げてくれる強力なツールとなります。

おすすめのフィギュア写真加工アプリ

撮影は写真制作の半分であり、残りの半分はレタッチ(写真加工)にあると言っても過言ではありません。

撮影時にどれだけ気を使っても、室内の照明による色かぶりや、意図しない明るさになってしまうことは避けられません。ここでは、撮影した写真の完成度を飛躍的に高める、おすすめの加工アプリを紹介します。

アプリ名主な特徴価格こんな人におすすめ
Snapseed直感的な操作、強力な部分補正、色かぶり補正無料手軽にプロ並みの補正をしたい初心者〜中級者
Lightroom Mobile高度なカラー調整、RAW現像、プリセット機能基本無料 (一部機能有料)色味にこだわり、写真を統一感あるトーンで仕上げたい中級者〜上級者

Snapseed

SnapseedはGoogleが提供する無料でありながら非常に高機能な写真編集アプリです。特に便利なのが「ホワイトバランス」機能の中にあるスポイトツールです。

撮影した写真が照明の影響で黄色っぽくなったり青っぽくなったりしてしまった場合、写真の中の本来「白」である部分をスポイトでタップするだけで、自動的に自然な色合いに補正してくれます。

また、「部分調整」機能を使えば、写真の特定の部分だけを明るくしたり、彩度を調整したりといった細かい作業が直感的に行えます。

Lightroom Mobile

Lightroom Mobileは前述の通り、撮影機能も優秀ですが、編集機能はプロの現場でも使われるPC版に匹敵するほどの性能を誇ります。

特にカラー調整に関する機能が豊富で、特定の色だけを狙って色相や彩度、輝度を変更できる「カラーミキサー」は非常に強力です。

また、自分が行った編集設定を「プリセット」として保存しておけば、他の写真にもワンタップで適用できるため、複数の写真を同じ雰囲気に統一したい場合に大変便利です。

これらのアプリを活用することで、フィギュアが持つ本来の色や質感を忠実に再現し、さらに自分の表現したい世界観を写真に加えることが可能になります。

フィギュア撮影 iPhoneの魅力を引き出す

フィギュア撮影-iPhoneの魅力を引き出す

この記事で解説してきたポイントを実践することで、あなたのiPhoneフィギュア撮影は大きく変わります。最後に、特に重要なテクニックや考え方をまとめました。

  • iPhoneのグリッド表示をオンにして構図を意識する
  • 三分割法を基本にフィギュアを配置してみる
  • AE/AFロックでピントと明るさを確実に固定する
  • 明るさの差が激しい場面ではHDRを活用する
  • 歪みの少ない自然な写りのため望遠カメラを基本に使う
  • 広角で寄るとプロポーションが崩れやすいので注意する
  • ポートレートモードは背景をぼかすのに有効だが万能ではない
  • アオリ(下から)やフカン(上から)など様々な角度を試す
  • iPhoneを逆さまに持つと超ローアングル撮影がしやすくなる
  • 光源はフィギュアの斜め前から当てるのが基本
  • 白い紙やアルミホイルをレフ板代わりにして影を明るくする
  • 背景には無地の紙やPCのディスプレイを活用して生活感を消す
  • 100円ショップのアイテムで簡易的な撮影ブースが作れる
  • Snapseedなどのアプリで撮影後に色かぶりや明るさを補正する
  • Lightroom Mobileを使えばより高度なカラー調整が可能になる
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