スケールフィギュアとは何か、詳しく知りたいと思っていませんか。フィギュアを集め始めたばかりだと、たくさんの専門用語に戸惑うこともあるでしょう。
例えば、スケールフィギュアと他のフィギュアの基本的な違いや、よく耳にするノンスケールフィギュアとは何か、そしてゲームセンターで見かけるプライズフィギュアとの違いについて、疑問に思うかもしれません。
また、スケールフィギュアの値段が高い理由や、フィギュアの一般的なスケールはどのくらいなのかも気になるところです。具体的に1/7スケールのフィギュアの大きさや1/8スケールのフィギュアの大きさ、さらには1/12スケールがどのくらいなのか、実際のサイズ感がつかみにくいと感じる方も多いはずです。
この記事では、ウマ娘のような人気作品のスケールフィギュアや、鬼滅の刃で多く見られるノンスケールフィギュアを例に取りながら、これらの疑問に分かりやすくお答えします。
- スケールフィギュアと他のフィギュアの明確な違い
- スケールごとの具体的なサイズ感と見え方
- 価格が高めに設定されている背景
- 人気作品のフィギュアに見るそれぞれの特徴
スケールフィギュアとは?その定義を解説
- スケールフィギュアの基本的な違い
- ノンスケールフィギュアとは何か?
- スケールとプライズフィギュアの違い
- スケールフィギュアの値段が高い理由
- 人気作スケールフィギュア ウマ娘の例
- ノンスケールフィギュア 鬼滅の刃の例
スケールフィギュアの基本的な違い

スケールフィギュアとは、アニメやゲームに登場するキャラクターなどの実物を、1/7や1/8といった一定の縮尺(スケール)に基づいて忠実に縮小して作られたフィギュアのことを指します。
最大の魅力は、設定に準拠して作られているため、非常にリアリティが高い点にあります。キャラクターの身長はもちろん、衣装や小物のバランスも正確に再現されるため、まるでキャラクターがそのまま小さくなって目の前に現れたかのような感覚を味わえます。
このため、同じ作品のキャラクターを同じスケールで集めると、キャラクター同士の身長差などが忠実に再現され、並べて飾った際に統一感が生まれます。例えば、身長が高いキャラクターと低いキャラクターを同じ1/7スケールで並べれば、設定通りの身長差がフィギュアでも表現されるわけです。
このように、スケールフィギュアは「縮尺の正確さ」と「リアリティの追求」を重視している点が、他のフィギュアとの根本的な違いとなります。
ノンスケールフィギュアとは何か?
ノンスケールフィギュアとは、その名の通り、特定の縮尺(スケール)を設定せずに作られたフィギュアの総称です。
スケールフィギュアがキャラクターの身長設定に基づいて厳密に縮小されるのとは対照的に、ノンスケールフィギュアは縮尺にとらわれず、自由なサイズ感で制作されます。
代表的な例として、グッドスマイルカンパニーの「ねんどろいど」シリーズが挙げられます。このシリーズはキャラクターの頭部を大きくデフォルメしたデザインが特徴で、実際の身長設定とは異なる独自のサイズ感を持っています。
また、「POP UP PARADE」シリーズのように、シリーズ全体でフィギュアの高さを約17~18cmに統一している製品もあります。この場合、身長150cmのキャラクターも170cmのキャラクターも、同じくらいの高さのフィギュアとして作られることになります。これは、コレクションとしての飾りやすさや、手頃な価格を実現するためのアプローチです。
このように、ノンスケールフィギュアはリアリティよりもデザインの自由度やコレクション性を優先しており、デフォルメされた可愛らしいものから、飾りやすさを追求したものまで多岐にわたります。

スケールとプライズフィギュアの違い

スケールフィギュアとプライズフィギュアの最も大きな違いは、その製造目的と品質基準にあります。
まず、プライズフィギュアとは、主にゲームセンターのクレーンゲームなどの景品として提供されるフィギュアを指します。法律により1個あたりの製造原価におおよその上限が定められているため、一般的に販売されるスケールフィギュアと比較すると、製造コストに大きな制約があります。
このため、造形や彩色の精細さにおいては、スケールフィギュアに及ばない場合が多いです。また、プライズフィギュアの多くは、前述の通りノンスケールで制作されています。
一方、スケールフィギュアは市販品として企画・製造され、価格設定にも比較的自由度があります。そのため、原型師の技術を最大限に活かした緻密な造形や、多層的な塗装による複雑な色合いの表現など、高品質を追求することが可能です。
ただし、近年ではプライズフィギュアの品質も飛躍的に向上しており、中にはスケールフィギュアに迫るほどのクオリティを持つ製品も登場しています。
とはいえ、基本的な位置づけとして、スケールフィギュアは「高品質な鑑賞品」、プライズフィギュアは「手軽に楽しめる景品」という違いがあると理解しておくと分かりやすいでしょう。
スケールフィギュアの値段が高い理由
スケールフィギュアの価格が高めに設定されている主な理由は、その緻密な製造工程と厳しい品質管理にあります。一つ一つのフィギュアが完成するまでには、多くの専門家の手と長い時間が必要です。
緻密な造形と原型製作
まず、キャラクターの魅力を最大限に引き出すための原型を、専門の原型師が手作業またはデジタルで制作します。
キャラクターの設定画を元に、髪の毛一本一本の流れや衣装のシワ、指先の表情に至るまで、非常に細かいディテールを造形していく作業は、高い技術と多くの時間を要します。
複雑な彩色工程
完成した原型を元に金型を作り、パーツを成形した後、専門の職人が手作業で彩色を行います。
肌の透明感を出すためのシャドウ吹きや、衣装の質感を表現するためのグラデーション塗装など、単純な塗り分けだけでなく、何層にもわたる複雑な塗装が施されることも少なくありません。この工程が、フィギュアに生命感と深みを与えます。
厳しい品質管理と長い開発期間
企画の立ち上げから発売まで、1年以上、時には数年の歳月がかかることもあります。
デコマス(彩色見本)通りの品質を量産品で実現するために、製造工場では厳しい品質チェックが繰り返し行われます。これらの工程すべてに高いコストがかかるため、結果として製品価格も高価になるのです。
人気作スケールフィギュア ウマ娘の例

「ウマ娘 プリティーダービー」は、その魅力的なキャラクターデザインから数多くのスケールフィギュアが商品化されています。これらのフィギュアは、スケールフィギュアならではの特徴を存分に活かした作例と言えます。
例えば、キャラクターがレースで疾走する一瞬を切り取ったフィギュアでは、風になびく髪や尻尾、躍動感あふれる筋肉の造形が見事に表現されています。
また、勝負服の複雑なデザインや装飾品も、細部に至るまで精密に再現されているのが特徴です。スケールフィギュアだからこそ、キャラクターの身長設定に基づいた正確なプロポーションで、衣装の質感や素材の違いまで感じ取れるような彩色が施されています。
このように、「ウマ娘」のスケールフィギュアは、キャラクターの持つ躍動感や美しさを、高い解像度で立体に落とし込んでいます。これは、縮尺に縛られずデザインされるノンスケールフィギュアとは異なる、スケールフィギュアならではの大きな魅力です。
ノンスケールフィギュア 鬼滅の刃の例
社会現象にもなった「鬼滅の刃」は、スケールフィギュアだけでなく、多種多様なノンスケールフィギュアが展開されている代表的な作品です。
特に有名なのが、グッドスマイルカンパニーの「ねんどろいど」シリーズです。キャラクターたちの特徴を残しつつ、2.5頭身ほどに可愛らしくデフォルメされており、表情パーツや小物を付け替えて様々なシチュエーションを楽しむことができます。
また、バンプレストの「Q posket」シリーズも人気があります。こちらは大きな瞳とふんわりとした頬のデザインが特徴で、キャラクターを独特の愛らしい姿で立体化しています。
これらのノンスケールフィギュアは、数千円台から手に入れられることが多く、コレクションしやすい点が魅力です。
スケールフィギュアがキャラクターの「再現性」を追求するのに対し、「鬼滅の刃」のノンスケールフィギュアは、「キャラクターの新たな魅力の表現」や「集めやすさ」といった点で多くのファンを惹きつけています。
スケールフィギュアとは?サイズ感を解説
- フィギュアの一般的なスケールは?
- 1/7スケールのフィギュアの大きさは?
- 1/8スケールのフィギュアの大きさは?
- 1/12スケールはどのくらい?
- まとめ:スケールフィギュアとは何か
フィギュアの一般的なスケールは?

キャラクターフィギュアの世界では、いくつかの「定番」とされるスケールが存在します。これらを知っておくと、フィギュアのサイズ感をイメージしやすくなります。
現在、美少女フィギュアなどで最も主流となっているのが「1/7スケール」や「1/8スケール」です。これらは、飾りやすいサイズ感と、衣装や表情のディテールをしっかりと表現できる情報量のバランスが取れているため、多くのメーカーで採用されています。
もう少し大きなサイズになると「1/6スケール」や「1/4スケール」があります。特に1/4スケールは非常に大きく迫力があり、バニーガール衣装のフィギュアなどでよく見られます。
逆に小さなサイズでは、「1/12スケール」が挙げられます。これは主に可動を前提としたアクションフィギュアで採用されることが多く、figmaやS.H.Figuartsといったシリーズがこのスケールに該当します。
スケールの数字が小さくなるほど、フィギュア本体は大きくなる(例:1/8より1/7の方が大きい)という点を覚えておくと良いでしょう。
1/7スケールのフィギュアの大きさは?
1/7スケールは、現在のキャラクターフィギュア市場において、最もポピュラーなサイズの一つです。では、実際の大きさはどのくらいになるのでしょうか。
フィギュアの大きさは、基準となるキャラクターの身長によって変わります。例えば、身長161cmのキャラクターを1/7スケールでフィギュア化した場合、以下のような計算になります。
161cm ÷ 7 = 23cm
つまり、キャラクターが直立した状態でおよそ23cmの高さになります。これは、1リットルの牛乳パック(高さ約23.5cm)とほぼ同じくらいの高さと考えると、サイズ感をイメージしやすいかもしれません。
もちろん、キャラクターが膝を曲げていたり、前かがみになっていたりするポーズの場合は全高が変わりますし、大きな武器や派手なエフェクトパーツ、豪華な台座が付属する場合は、全体のボリュームはさらに大きくなります。
情報量と飾りやすさのバランスが非常に良く、多くのコレクターから支持されているスケールです。
1/8スケールのフィギュアの大きさは?

1/8スケールは、少し前までキャラクターフィギュアの主流だったサイズで、現在でも多くの製品がこのスケールで発売されています。1/7スケールよりも一回りコンパクトなサイズ感が特徴です。
こちらも同様に、身長161cmのキャラクターを例に計算してみましょう。
161cm ÷ 8 ≒ 20.1cm
フィギュア本体の高さは、約20cmとなります。これは、500mlのペットボトル(高さ約21cm)より少し低いくらいのサイズです。
1/7スケールと比較するとやや小さめですが、その分、省スペースで飾ることができ、価格も少し抑えられる傾向にあります。
コレクションをたくさん並べたい方や、飾るスペースが限られている方にとっては魅力的な選択肢となります。ディテールの再現度も十分に高く、キャラクターの魅力を損なうことはありません。
1/12スケールはどのくらい?
1/12スケールは、主に可動を前提としたアクションフィギュアで採用されている標準的なサイズです。マックスファクトリーの「figma」シリーズや、BANDAI SPIRITSの「S.H.Figuarts」シリーズなどがこのスケールにあたります。
これまでと同様に、身長161cmのキャラクターを例にすると、その大きさは以下のようになります。
161cm ÷ 12 ≒ 13.4cm
高さは約13.4cmとなり、一般的な漫画の単行本の横幅(約13cm)とほぼ同じです。まさに手のひらに乗るサイズ感で、非常に扱いやすいのが特徴です。
このスケールの最大の魅力は、豊富な可動域を活かして様々なポーズを取らせることができる点です。また、ミニチュアの家具や乗り物なども1/12スケールで多く商品化されているため、それらと組み合わせてジオラマを作るなど、遊びの幅が非常に広いスケールと言えます。
スケール | 身長161cmの場合の大きさ | 身近なもののサイズとの比較 |
1/4 | 約40.3cm | 一般的なハンガーの横幅 |
1/6 | 約26.8cm | A4用紙の短い方の辺(21cm)より大きい |
1/7 | 約23.0cm | 1L牛乳パックの高さ |
1/8 | 約20.1cm | 500mlペットボトルの高さ |
1/12 | 約13.4cm | 漫画の単行本の横幅 |
※上記の表はあくまで目安です。フィギュアの実際の寸法はポーズ、台座、付属品などによって異なります。
まとめ:スケールフィギュアとは何か

この記事のポイントをまとめます。
- スケールフィギュアはキャラクターなどの実物を一定の比率で縮小したもの
- ノンスケールフィギュアは縮尺が設定されずに自由に作られたもの
- スケールフィギュアの魅力は設定に忠実なリアリティと統一感
- ノンスケールフィギュアにはデフォルメされたデザインのものが多い
- プライズフィギュアの多くはコストの制約があるノンスケール製品
- スケールフィギュアは緻密な造形と彩色の工程を経るため高価になりやすい
- フィギュアの一般的なスケールには1/4, 1/6, 1/7, 1/8, 1/12などがある
- 1/7スケールは身長161cmのキャラクターで約23cmになる
- 1/8スケールは身長161cmのキャラクターで約20cmになる
- 1/12スケールはアクションフィギュアで主流の手のひらサイズ
- スケールの分母の数字が小さいほどフィギュア本体は大きくなる
- 大きさを知るには「キャラクターの身長 ÷ スケールの分母」で計算する
- 実際のサイズはフィギュアのポーズや台座によって変動する
- ウマ娘など人気作品のスケールフィギュアは再現性が非常に高い
- 鬼滅の刃などではコレクションしやすいノンスケールも豊富に展開されている