【フィギュアの臭い取り】原因と対策を解説!大切なコレクションを守る方法

【フィギュアの臭い取り】原因と対策を解説!大切なコレクションを守る方法

お気に入りのフィギュアを開封した瞬間や、久しぶりにケースから出して飾ろうとした際に、独特の匂いが気になった経験はありませんか。フィギュアからするなんとも言えない変な匂いや、化学製品特有の甘い匂いは、コレクターにとって悩みの種の一つです。

特に、中古フィギュアを購入した場合はタバコ臭いこともあり、このフィギュアの臭い取りをどうすれば良いか途方に暮れてしまう方もいるでしょう。そもそも、大切なフィギュアは洗ってもいいですか?という基本的な疑問を持つのは当然のことです。

しかし、自己流の対策は禁物です。例えば、消臭スプレーのファブリーズを直接吹きかけたり、汚れを落とそうとアルコールで拭いたりすると、かえってフィギュアを傷つけてしまう可能性があります。

この記事では、フィギュアの匂いの原因から、基本的な洗剤での洗浄方法、そして頑固なソフビの臭いに有効とされる重曹の使い方や、活性炭を利用した安全な脱臭方法まで、具体的かつ網羅的に解説します。失敗や後悔を避けて、あなたのコレクションを最高の状態で保つための知識を深めていきましょう。

記事のポイント
  • フィギュアから発生する様々な匂いの原因
  • フィギュアを安全に洗浄するための基本的な手順
  • タバコやソフビなど特定の匂いに対する効果的な対処法
  • 匂い取りで避けるべき注意点と正しい保管方法
    目次

    フィギュア 臭い取りの前に知るべき匂いの原因

    • フィギュアからする変な匂いの正体とは?
    • 可塑剤が原因?フィギュアの甘い匂い
    • そもそもフィギュアは洗ってもいいですか?
    • 基本は中性洗剤を使ったつけ置き洗い
    • ソフビの臭いには重曹が効果的

    フィギュアからする変な匂いの正体とは?

    フィギュアからする変な匂いの正体とは?

    フィギュアから発生する様々な「変な匂い」の正体は、一つではありません。匂いの原因は、フィギュアが新品か中古か、どのような素材で作られているか、そしてどんな環境で保管されていたかによって異なります。

    主な原因として考えられるのは、フィギュアの素材自体に含まれる化学物質です。多くのフィギュアに使用されるPVC(ポリ塩化ビニル)を柔らかくするために添加される「可塑剤」や、塗装に使われる塗料の「溶剤」が、製造後も完全に揮発せず残っていることがあります。これらが気化することで、化学的な匂いが発生します。

    また、中古で購入したフィギュアの場合は、前の所有者の保管環境が大きく影響します。例えば、喫煙者の部屋に飾られていたフィギュアには、タバコのヤニが付着し、特有の不快な匂いが染みついてしまいます。他にも、生活臭やホコリ、カビなどが原因となることも考えられます。

    このように、フィギュアの匂いは単一の原因ではなく、複数の要因が絡み合っているケースがほとんどです。したがって、効果的な対策を行うためには、まず匂いの原因が何であるかを見極めることが大切になります。

    可塑剤が原因?フィギュアの甘い匂い

    フィギュア、特に新品を開封した際に感じる、どこか甘いような独特の化学的な匂いは、多くの場合「可塑剤(かそざい)」が原因です。

    可塑剤とは、フィギュアの主材料であるPVC(ポリ塩化ビニル)のような硬いプラスチックに柔軟性を与えるために添加される物質です。この可塑剤が、時間の経過とともにフィギュアの内部から表面に染み出し、気化(揮発)することで、あの特有の匂いを発生させます。

    特に、未開封のまま長期間保管されていたフィギュアは、箱やブリスターパックという密閉された空間の中で気化した可塑剤が充満し、開封時に強く匂う傾向があります。これは、成分が外に逃げる場所がなく、内部に籠ってしまっていたためです。

    この可塑剤は、匂いの原因になるだけでなく、さらに時間が経過すると「ブリード現象」と呼ばれるベタつきを引き起こすこともあります。匂いがするということは、可塑剤が活発に表面へ移動しているサインとも考えられます。

    そのため、匂いが気になる場合は、フィギュアを風通しの良い場所に置いて、余分な可塑剤を適切に揮発させてあげることが、匂いを軽減し、将来的なベタつきを予防する上でも有効な手段と言えます。

    そもそもフィギュアは洗ってもいいですか?

    そもそもフィギュアは洗ってもいいですか?

    フィギュアの匂いやベタつきに悩んだとき、「いっそのこと丸洗いしてしまいたい」と考える方は少なくないでしょう。では、そもそもフィギュアは洗ってもいいのでしょうか。

    多くのPVC(ポリ塩化ビニル)やABS樹脂で作られたフィギュアは、正しい方法で洗浄することが可能です。適切に洗うことで、表面に付着したホコリや皮脂、軽度のベタつき、そして匂いの原因となっている物質を物理的に取り除くことができます。

    ただし、これには注意が必要です。全てのフィギュアが無条件に洗えるわけではありません。例えば、金属製のパーツや電子部品が組み込まれているフィギュアは、水に濡らすと錆びや故障の原因となるため洗浄は避けるべきです。

    また、非常に古いフィギュアや、素材が不明なもの、既に関節が緩んでいたり塗装が劣化してひび割れていたりするものは、洗浄によって状態をさらに悪化させてしまう恐れがあります。

    要するに、フィギュアを洗うこと自体は有効な対策の一つですが、それは「フィギュアの状態を見極め、正しい手順で行う」という条件付きです。洗浄作業は自己責任となるため、まずは自分のフィギュアが洗浄に適しているかを確認し、慎重に進めることが求められます。

    基本は中性洗剤を使ったつけ置き洗い

    フィギュアを洗浄する際の最も安全で基本的な方法は、食器洗い用の「中性洗剤」を使ったつけ置き洗いです。酸性やアルカリ性の洗剤に比べて素材や塗装への攻撃性が低く、フィギュアにダメージを与えるリスクを最小限に抑えながら、汚れや匂いの原因を効果的に落とすことができます。

    刺激の強い洗剤は、フィギュアのデリケートな塗装を溶かしたり、素材そのものを変質させたりする危険性がありますが、中性洗剤であればその心配が少ないです。

    具体的な洗浄手順

    1. パーツの分解: まず、フィギュアを洗浄する前に、破損しない範囲で分解できるパーツは全て取り外します。これにより、パーツの隙間など、細かな部分まで綺麗に洗浄できます。金属製のパーツは水洗いできないため、この時点で必ず外しておきましょう。
    2. 洗浄液の準備: 洗面器やバケツに、35~38度程度のぬるま湯を張ります。熱すぎるお湯はフィギュアの変形や塗装剥がれの原因になるため、必ず人肌程度の温度を守ってください。そこに中性洗剤を数滴垂らし、よくかき混ぜて洗浄液を作ります。
    3. つけ置きと洗浄: 作成した洗浄液に、分解したフィギュアのパーツを静かに浸します。5分から10分ほどつけ置きすると、汚れやベタつきが浮き上がってきます。その後、指の腹を使って、表面を優しくなでるように洗います。硬いスポンジやブラシは塗装に傷をつけるため、絶対に使用しないでください。
    4. すすぎと乾燥: 洗浄が終わったら、きれいな水、またはぬるま湯で洗剤成分が残らないよう、丁寧によくすすぎます。すすぎ残しは新たなベタつきの原因にもなります。その後、清潔で柔らかいタオル(マイクロファイバータオルがおすすめ)で優しく押さえるようにして水気を拭き取ります。最後に、直射日光の当たらない、風通しの良い場所で、数日間かけて内部まで完全に自然乾燥させたら完了です。

    この手順を守ることで、大切なフィギュアを安全にリフレッシュさせることが可能になります。

    ソフビの臭いには重曹が効果的

    ソフビの臭いには重曹が効果的

    一般的なPVCフィギュアとは異なり、ソフビ(ソフトビニール)人形は、素材特有の強い匂いを発することがあります。これは、製造工程で使われる材料や可塑剤の種類に起因するもので、中性洗剤の洗浄だけではなかなか取れない場合があります。このような頑固なソフビの匂いに対しては、「重曹」が効果を発揮することがあります。

    重曹は弱アルカリ性の性質を持っており、酸性の性質を持つ匂いの成分を中和して消臭する効果が期待できます。また、その微細な粒子が、匂いの原因物質を吸着する働きもあります。

    重曹を使った洗浄方法は、基本的には中性洗剤の場合と似ています。洗面器などにぬるま湯を張り、そこに重曹を大さじ2~3杯ほど入れてよく溶かします。

    その重曹水の中にソフビを沈め、30分から1時間ほどつけ置きします。時間が経ったら、水中で優しく表面をこすり洗いし、その後、きれいな水で重曹が残らないようにしっかりとすすぎ、風通しの良い場所で完全に乾燥させます。

    ただし、注意点もあります。重曹は中性洗剤よりもやや洗浄力が強いため、塗装が弱い部分や古いソフビの場合、塗装に影響を与える可能性がゼロではありません。そのため、いきなり全体を洗浄するのではなく、まずは足の裏など、目立たない部分で試してみて、塗装に変化がないかを確認してから全体作業に移ることを強く推奨します。

    状況別!効果的なフィギュア 臭い取りの方法

    • 中古フィギュアのタバコ臭い匂いの消し方
    • ファブリーズを使っても大丈夫?
    • 新聞紙や活性炭を使った脱臭方法
    • アルコールの使用は塗装が剥げるので注意
    • 最適なフィギュア 臭い取りで快適に飾ろう

    中古フィギュアのタバコ臭い匂いの消し方

    中古フィギュアのタバコ臭い匂いの消し方

    リサイクルショップやフリマサイトで手に入れた中古フィギュアに、タバコの匂いが染みついていてがっかりした、という経験は少なくありません。タバコのヤニによる汚れと匂いは非常に頑固で、通常のホコリ汚れなどとは対処法が異なります。

    この匂いを消すためには、二段階のアプローチが必要です。第一段階は「表面の洗浄」、第二段階は「内部に染み込んだ匂いの揮発」です。

    まず、表面に付着したベタベタするヤニ汚れを落とすために、前述の通り、中性洗剤を使ったつけ置き洗いを行います。ヤニは油性の汚れなので、ぬるま湯で丁寧に洗うことで、表面の大部分の汚れと匂いを除去することが期待できます。

    しかし、問題は素材の内部にまで染み込んでしまった匂いです。これは洗浄だけでは完全には取り除けません。そこで重要になるのが、第二段階の「揮発」です。洗浄と乾燥が終わったフィギュアを、直射日光の当たらない、風通しの良い日陰で長期間干します。

    期間の目安は、数週間から、匂いが強い場合は1ヶ月以上かかることもあります。この工程は根気が必要ですが、素材内部の匂い成分を時間をかけて空気中に発散させる、最も確実な方法です。

    この長期的な陰干しを行っても匂いが取り切れない場合は、次の項目で解説する新聞紙や活性炭を使った方法を併用すると、より効果が高まる場合があります。

    ファブリーズを使っても大丈夫?

    フィギュアの匂いが気になったとき、手軽な解決策として衣類用の消臭スプレー「ファブリーズ」を使おうと考える方がいるかもしれません。しかし、フィギュアへ直接ファブリーズを吹きかけることは、基本的には推奨されません。

    その理由は主に二つあります。第一に、ファブリーズに含まれている化学成分(アルコール類や香料など)が、フィギュアのデリケートな塗装を溶かしてしまったり、化学反応を起こして変色やシミの原因になったりする危険性があるためです。大切なフィギュアの塗装がまだら模様になってしまっては、元も子もありません。

    第二に、消臭スプレーは匂いの原因物質を分解するのではなく、香りで匂いをマスキング(覆い隠す)するタイプが多いです。このため、フィギュアの化学的な匂いとファブリーズの香りが混ざり合い、かえって不快な匂いになってしまう可能性があります。匂いの根本的な解決には繋がらないのです。

    どうしても消臭スプレーの力を借りたい場合は、間接的な使用に留めるべきです。例えば、フィギュアをビニール袋に入れ、袋の隅にファブリーズを軽く吹きかけたティッシュや布を置くなど、直接液体がフィギュアに触れないように工夫する方法があります。

    ただし、これもあくまで自己責任の範囲で行うべき最終手段と考え、まずは洗浄や換気といった、より安全な方法を試すことが賢明です。

    新聞紙や活性炭を使った脱臭方法

    新聞紙や活性炭を使った脱臭方法

    洗浄が難しいフィギュアや、洗浄後もまだかすかに匂いが残っている場合には、匂いを吸着させる性質を持つアイテムを活用した脱臭方法が有効です。代表的なものが「新聞紙」と「活性炭」です。

    この方法は、フィギュアに直接的なダメージを与えるリスクが非常に低く、安全性が高いのが大きなメリットです。

    新聞紙を使った脱臭

    新聞紙のインクには、匂いを吸着する効果を持つカーボン(炭)が含まれています。この性質を利用して、フィギュアを脱臭します。やり方は非常に簡単で、フィギュアが入る大きさの箱やポリ袋を用意し、その中にフィギュアと、くしゃくしゃに丸めた新聞紙を一緒に入れて数日間密閉するだけです。新聞紙がフィギュアから発せられる匂い成分を吸収してくれます。定期的に新聞紙を新しいものに交換すると、より効果的です。

    活性炭を使った脱臭

    活性炭は、目に見えない無数の微細な穴を持つ多孔質な素材で、その穴に匂いの分子を強力に吸着する働きがあります。下駄箱や冷蔵庫用の市販の活性炭脱臭剤を利用するのが手軽です。新聞紙と同様に、フィギュアと活性炭脱臭剤を一緒に箱や袋に入れて密閉します。活性炭は新聞紙よりも強力な脱臭効果が期待できるため、頑固な匂いにも有効です。

    これらの方法は、水洗いに抵抗があるデリケートなフィギュアや、電気系統が内蔵されているフィギュアの匂い対策として、特に優れた選択肢となります。

    アルコールの使用は塗装が剥げるので注意

    フィギュアに付着した汚れや色移りを落とそうとして、消毒用のアルコールやアルコール成分を含むウェットティッシュを使おうと考えるのは、絶対に避けるべき行為です。アルコールは、フィギュアの塗装にとって天敵とも言える存在です。

    アルコールには塗料を溶かす強力な作用があります。そのため、アルコールでフィギュアの表面を拭くと、汚れだけでなく塗装まで一緒に剥がしてしまい、取り返しのつかないダメージを与えてしまいます。特に、キャラクターの顔のアイプリントのような精密な部分は、軽く擦っただけで無残に消えてしまう可能性があります。

    同様に、マニキュアを落とすための「除光液(アセトンなどを含む)」も、アルコール以上に強力な溶剤であり、使用は厳禁です。

    また、汚れ落としの定番アイテムとして知られる「メラミンスポンジ」の使用にも注意が必要です。メラミンスポンジは、非常に細かい研磨剤で表面を削りながら汚れを落とす仕組みです。

    これを使うと、フィギュアの表面のツヤがなくなってしまったり、マットな塗装のフィギュアでも光の加減で擦った跡がわかってしまったりと、質感を損なう原因になります。

    以下の表に、フィギュアの汚れ落としに使われがちなアイテムとその危険度をまとめました。安全な方法を選択するための参考にしてください。

    アイテム主な用途フィギュアへの影響・危険度
    中性洗剤全体的な洗浄、ベタつき除去:正しい使い方なら安全性が高い
    重曹ソフビの匂い、酸性の汚れ:塗装への影響を考慮し部分的に試す
    ファブリーズ消臭:直接噴射は変色・塗装溶けのリスク大
    アルコール消毒、インク落とし極高:塗装を著しく損傷させるため使用厳禁
    メラミンスポンジ研磨・汚れ落とし:表面を削るためツヤが消え、傷の原因になる

    これらのことから、フィギュアのメンテナンスでは、素材や塗装に優しい方法を慎重に選ぶことが何よりも大切であると言えます。

    最適なフィギュア 臭い取りで快適に飾ろう

    最適なフィギュア-臭い取りで快適に飾ろう

    この記事では、フィギュアの匂いの原因から様々な対策までを解説してきました。最適なフィギュアの臭い取りを行い、大切なコレクションを快適に飾りましょう。

    以下に、今回の重要なポイントをまとめました。

    • フィギュアの匂いは主に可塑剤や塗料が原因
    • 未開封でも化学成分がこもり匂いが発生することがある
    • 中古品はタバコや前の所有者の生活臭が付着しやすい
    • 匂い対策の基本は風通しの良い場所での換気
    • 多くのフィギュアは中性洗剤とぬるま湯で洗える
    • 洗浄時は高温のお湯や硬いブラシの使用を避ける
    • 分解できるパーツは外して個別に洗浄する
    • 金属パーツは錆びるため水洗いを避ける
    • 洗浄後は風通しの良い日陰で完全に自然乾燥させる
    • ソフビの強い匂いには重曹のつけ置きが有効な場合がある
    • タバコ臭は洗浄と長期的な陰干しで根気よく対処する
    • アルコールや除光液は塗装を溶かすため絶対に使用しない
    • ファブリーズの直接噴射は変色や新たな匂いの原因になる
    • 洗浄できない場合は新聞紙や活性炭で匂いを吸着させる
    • 匂いを予防するにはケース内の定期的な換気が大切
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